■第二回ファック文芸部杯参加作品まとめ
- id:xx-internetが集計してるらしいのでブクマ数は省く
- id:cinematic、id:nisemono_san、id:wonder88の作品については相互リンクがないので参加作品かどうか判断できない
- 増田の創作っぽいのまとめ・最終版(11/1から11/30)との差分が気になる
(注:これは古いバージョンです。)
第1回 ヒロコの苗字は
「・・・でもねぇ、その人、すっごくすてきなことも言っているの。」
と、ヒロコは言った。いや、名前は知らないが、ヒロコが名前なのだろう。なにしろ胸の名札に【ヒロコ】とわざわざ書いてあるくらいだ。
彼女は舌足らずな口調で、俺に理解できないことをえんえんとしゃべり続けている。それが、かれこれもう3時間も続いているのだ。
いくら極上の可愛い子と向かい合っている状況とはいえ、これはもううんざりだというのが、わかってもらえるだろうか。
「『一身にして二生を生きる』ですって。二回も生きられるのって、絶対お得よね。ねぇ、聞いてます?」
「は、はあ・・・」
なんだろう、なにを言っているのか全然わからない。相槌をうつのも、ほんと疲れた。もう帰りたい。
俺はいったい、何をしているんだろう。なぜ、ここにいるんだろう。
なぜ、ハローワークにいるんだろう?
ああそうだ、お袋が病気で倒れたんだった。パートが体にこたえたんだろう。お袋ももう年だ。そんな無理しなくていいのに。
そうだ、それで仕送りが止まって、昨日からネットも水道も電気も携帯も、全部未払いで止まったんだった。えらく都合よく同時に止まるもんだ。
それで、仕方がない、コンビニで立ち読みでもして、わずかなあり金でパンでも買って、ついでにタダの求人誌でも持って帰るかと、久しぶりに部屋の外に出たんだった。
そして、アパートの階段を降りたところ、そう、まったく驚いたことに、いきなりアパートの隣がハローワークになっていた。
俺もずいぶんしばらく部屋から出てなかったからなあ。前は空き地だったんだっけ?
まあ、隣ならサンダルのままでいってもよかろうし気楽でいいかと、俺はトレーナーにジーンズにサンダル履きのままで、新ピカのハローワークの自動ドアを入っていった。
中はいきなりだだっぴろい大きな部屋になっていた。
左手はパソコンのコーナーか。壁際の細長い机にディスプレイが列をなしている。
右手には長いカウンターがあり、その向こうには机がいくつか並んでいる。職員がいるところだろう。
目の前には、黒い長いすがたくさん置いてある。なにかを待つ場所なんだろう。
しかしどうも様子が変だ。部屋の中に、だれも人がいない。
「まだ、開店前なのかな?」
「いらっしゃいませえ。」
独り言に急に高く甘い声の反応が返ってきた。びっくりして声の方を向くと、右手のカウンターに、一人だけ女の子が座っている。
そう、女の子だ。どこをどうみても女の子としかいえない様な、黒く長い髪の女の子だ。
しかし職員のような制服を着ている。
そして、満面の笑みを浮かべながら、大きくつぶらな蒼い瞳で俺の目の奥を射抜きながら、こう言った。
「お仕事のご相談ですか。どうぞ、こちらにきて座ってください。」
「・・・だからぁ、時代をいくっていうのかなあ。積極的に、未来志向で、若い人はチャレンジって、そう思うでしょう?」
松だか梅だか知らないが、俺はもう38なんだ。ちなみに童貞だ。もうかんべんしてくれ。仕事の話はどこにいったんだか。
「それでは本題に入るけどぉ、そんなあなたに、ちょうど、ぴーったりな、すてきなアルバイトがあるんですよ。」
「え、ええっ?は、はいっ。」
いきなり来たか。
「簡単にいうとねぇ、組織内のカサンドラ、みたいな役割の仕事なんだけどね。」
なんだそれは?
「わからない?『炭鉱のカナリア』みたいっていったら、わかるかな?」
だから、なんだそれは一体?
もう、帰ってもいいでしょうか。
(増田連載ラノベ第1回)
ラノベ元増田が出てこないので、勝手に書いちゃいました。長文ですません。
(しかも一度Upして反応がなくてさみしいので、再Up。)
ハローワークに行かせてみた。今のところ特に意味もオチもないです。
後の続きは全然考えてないので、誰かいてちゃって(丸投げ)。
ラノベは、よくわからないけれど、これから覚えます。
Author:tsukamoto